考えよう(11)

 「・・・して」はむずかしい?

点訳のポイント
(1)「として」「にして」「をして」などの,「して」が文語的表現の助詞である場合には前に続けて書く.助詞の判断が困難な場合は区切って書く.(点訳のてびきp-33より)
簡単判別法:「・・・して」が「・・・する」の意味の動詞なら区切る.

 

a.「ずして」
 ・期せずして  ・労せずして  ・闘わずして  
 ・日ならずして
 ・川の流れわ絶えずして
 ・喜びに絶えずして
 ・卒業を見るに及ばずして死せり

b.「にして」
 ・一瞬にして  ・いながらにして  ・今にして思えば
 ・不幸にして  ・往々にして  ・人生半ばにして  
 ・桜わ一夜にして散った
 ・波静かにして → 静かしてください
     ・いかして乗り越えるか
     ・それして遅いなあ  (「点訳のてびき」p.43 p.44)  
     ・食事もそこそこして出かけた
     ・彼してみれば  
     ・このまましておきなさい
     ・右の手を握るよーして

c.「をして」
 ・彼をして言わしむれば  
 ・彼をして渡航せしめる

d.「からして」
 ・姿からして美しい  ・それだからして  
 ・それからしておかしい
 ・素振からしておかしい

e.「くして」
 ・幼くして母を亡くし  ・そうではくして  
 ・見るべくして  ・勝つべくして勝った  
 ・水くして  ・年くして
 ・それくして闘えぬ
     ・しばらしてやってきた  
     ・ほどなして
 ・優しして欲しい
 
f.「として」
 1.a 「てびき」の考え方では続ける。
  ・よーとして
 1.b 「点字表記辞典」では切る。

・よーして ・時して ・依然して
・断固して ・頑して ・突如して

☆ とは言うものの、なかなか一様ではありません。(いぜんして)(ときして)(がんして)など、やはり切れているものの方が多く見受けられます。

 2.「主として」
  ・彼の仕事わ主として車の運転である
      ・仕事わ運転を主としている
      ・エホバを主としてあがめる


 3.切るもの
  ・出かけよーして  
  ・彼女して  ・私してわ  ・人間して  
  ・それわそれして  
  ・当事者して
  ・これを機縁して
  ・ひょっして  ・ほっして  ・そっしておく  
  ・じっしていなさい
  ・仮にそーだして
  ・何して
  ・何一つしてできない  
  ・誰一人して気が付かなかった

☆ これらの「……して」は、国語辞典の編集者によって取り上げ方がさまざまです。また、その他の点訳規則もそうですが、規則をできるだけ簡単にと言うことから、分かち書きを考えて行くということが「日本点字表記法」などにも書かれています。「して」が古語的表現の場合は続けるが、助詞かどうか判断が難しい場合は区切って書く、と言う意味が少し浮かび上がってきます。

g.その他の「して」……次もちょっと考えてみましょう。
 ・額にして働く
 ・一読して意味が分かる
 ・二人して出かけた
 ・知ってるくせして
 ・身を粉にして働く
 ・知らん顔して → 知らぬして
 ・絵をながめたりしていると
 ・英語を勉強して → 英語の勉強して

2001/09/24 14:57:18;85028;rc9t-stu;RETR;ok;/freeaddr/ten/room/kangae-1/kanga110.html