わびすけメモ(11)

「一づくし」

一足飛び、一生、一番、一杯、‥‥‥、一度

『くらすでいちばんおおきいこが、1ばんになった。』 

「一」という数字を含んだ言葉はよく出てきます。
 ところが、これを
「いち」と書くか「1」と書くかで迷うことが多い‥‥‥。(^^;
 普通は
『最新点字表記辞典』等で調べますが、載っていない言葉もありますね。
 その時はどうするか? 今回は、このテーマにチャレンジしてみます。
  まず、
『点訳のてびき(第2版)』のP19〜20から、関連部分を抜粋します。
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    2 数を含む言葉の書き方
 1. 数字を漢字音で発音する場合

(1) 数を含む言葉は原則として数字で表し、数字に続く言葉(助数詞など)は続けて書く。
     例〜 1まい(一枚)、 1そく(一足)、 1ぽん(一本)、
        1りゅーひん(一流品)、 5ぞー
6ぷ(五臓六腑)、

  (2) 1語中で、月と日を省略して書いてあるときや、数字が並んでいるときは
     、中点などを省略して続けて書く。
     例〜 #2#26
じけん(二・二六事件)、
        #2#1スト(二・一スト)、#6#3#3せい(六・三・三制)、
       注、#は数符

  (3) 数量や順序の意味が薄れた言葉や、漢数字の形を表している場合などは
     仮名で書く。
     例〜 あおにさい(青二才)、 いっそくとび(一足飛び)、
        いっぱんてき(一般的)、 いっしょー(一生)、 むに(無二)、
        じゅーじろ(十字路)、 はちのじを
よせる(八の字をよせる)

  (4) 同じ発音の語でも、数量や順序の意味のあるなしで、数字と仮名に書き分
     ける。
     例〜 1ばん
なった(一番になった)、
        いちばん
おおきい(一番大きい)、
        1だん
のぼる(一段登る)、
        いちだん
きれいだ(一段ときれいだ)、
        1ぱい
のんだ(一杯飲んだ)、
        いっぱい
なった(一杯になった)、
        だい1
だんかい(第1段階)、 
        だいいち
かねがない(第一、金がない)、
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  さて、ここで、ポイントになるのは、(3)(4)ですね。

  まず(3)については、それ程難しくありません。(^!^)
 辞書で調べて、独立した見出し語として載っているような語であれば、それなりの
 説明がしてある事が多い(単純な「一つの○○」といった意味ではなく)。
  そのようなそれなりの意味の時は、「数量や順序の意味が薄れた言葉」と考えて、
 かなで書けばいい
のではないかと思います。
   例、見出し語「一員」 説明「団体を構成する一人」  →  「いちいん」

  ところで辞書によっては、(1)のパターンの語まで丁寧に載せているケースも
 ありますね。このような場合、その説明が単純に「一つの○○」となっている時には
 数字を使えばいいと思います。
   例、見出し語「一因」 説明「一つの原因」  →  「1_いん」

  さてさて、実際問題として困るのは、実に(4)です。(^^;
  この
(4)の例の中で、かなを使っているケースがありますね。これは、
 なにを隠そう「数量や順序の意味が無い」からなんですが‥‥‥。
  それじゃあ一体どんな意味があるのかと言うと‥‥‥。(^!^)
  恐らく元々は「数量や順序の意味」があったんでしょうが、今では薄れてしまい、
 その替わりに、それぞれ独自の意味を持つようになっています。
  例えば「いちばん」は、「1番、2番、3番、‥‥‥」という順序ではなく、
 「最も」という意味になっています。
  同様に、「いちだん(と)」「いっぱい(に)」「だいいち」も、それぞれ
 単に「1」と言う意味を超えて、独自の意味をもった言葉ですね。
  そしてこれらの言葉は、殆どの辞書で、「副詞」として出ています。
    → ここがポイント。(^!^)

  さてこれらを見分ける為の判別法として、「一」を「二」に置き換えてみる方法
 あります。「二」に置き換えてダメだったら、かなで書くのです。
  「二番大きい」「二段ときれいだ」「二杯になった」「第二、金がない」
 いずれも変ですから、これらは「いち」と、かなで書きます。
  ただ‥‥‥。この方法も万能ではありません。(^^; 例えば‥‥‥。

 「一度」について考えてみましょう。
  例、a.「確かに前に、一度来た事がある」
    b.「一度病院で調べてもらったら?」
    c.「一度決心したら、最後まで頑張れ」
  特にb.c.は、「二度」に置き換えると変ですね。では「いちど」と書くか?
 うーん、微妙ですね。これらも「1」の意味がまだ残っていそうですし。
  それに実は、副詞とみている辞書は現時点では殆どありません。(^^;
  従って、現在では、「一度」は、「1ど」としておくのが、無難かと思います。
   (但し、5年後・10年後は‥‥‥、おそらく‥‥‥。(^!^))
  尚、「一度に酔いが覚めた」の時は、「いちどに」でいいと思います。辞書でも
 「一度に」だと副詞として独立に扱っていますから。

  最後、少しややこしくなりました。(^^;
 点訳の実践では、こんなややこしい話は出来るだけ避けたい‥‥‥。(^!^)
 そこで‥‥‥。


  
1.まず『最新点字表記辞典』に頼りましょう。これで70〜80%はOK。
     でも載っていなかったら? (^^;
  
2.いくつか(複数)の辞書を調べて、その取扱いに従いましょう。
   (3)のケース−−それなりの意味を持った独立の見出し語で載っているか?
   (4)のケース−−独自の意味を持った、副詞として載っているか?
     これらの場合には、かなで書きましょう。  これで、95%OK。
  
3.似たような言葉がどっちになっているか調べ、それに合わせましょう。
  4.それでも迷うグレイゾーンのケースに、不幸にしてぶつかったら‥‥‥。(^^;
   その時は「1」を使いましょう。「1」を使う方が、読む人の理解を助ける
   上で良いらしいのです。(『日本点字表記法(1990年版)』P103)


    < ぎりぎり迷ったら、数字を使いましょう > (^!^)

    ではでは。      {^△^} わびすけ 2001/09/24 14:58:52;85028;rc9t-stu;RETR;ok;/freeaddr/ten/room/wabisuke/wabi-11.html