『くらすで□いちばん□おおきい□こが、□1ばんに□なった。』
「一」という数字を含んだ言葉はよく出てきます。
ところが、これを「いち」と書くか「1」と書くかで迷うことが多い‥‥‥。(^^;
普通は『最新点字表記辞典』等で調べますが、載っていない言葉もありますね。
その時はどうするか? 今回は、このテーマにチャレンジしてみます。
まず、『点訳のてびき(第2版)』のP19〜20から、関連部分を抜粋します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
2 数を含む言葉の書き方
1. 数字を漢字音で発音する場合(1) 数を含む言葉は原則として数字で表し、数字に続く言葉(助数詞など)は続けて書く。
例〜 1まい(一枚)、 1そく(一足)、 1ぽん(一本)、
1りゅーひん(一流品)、 5ぞー□6ぷ(五臓六腑)、
(2) 1語中で、月と日を省略して書いてあるときや、数字が並んでいるときは
、中点などを省略して続けて書く。
例〜 #2#26□じけん(二・二六事件)、
#2#1スト(二・一スト)、#6#3#3せい(六・三・三制)、
注、#は数符
(3) 数量や順序の意味が薄れた言葉や、漢数字の形を表している場合などは
仮名で書く。
例〜 あおにさい(青二才)、 いっそくとび(一足飛び)、
いっぱんてき(一般的)、 いっしょー(一生)、 むに(無二)、
じゅーじろ(十字路)、 はちのじを□よせる(八の字をよせる)
(4) 同じ発音の語でも、数量や順序の意味のあるなしで、数字と仮名に書き分
ける。
例〜 1ばんに□なった(一番になった)、
いちばん□おおきい(一番大きい)、
1だん□のぼる(一段登る)、
いちだんと□きれいだ(一段ときれいだ)、
1ぱい□のんだ(一杯飲んだ)、
いっぱいに□なった(一杯になった)、
だい1□だんかい(第1段階)、
だいいち、□かねが□ない(第一、金がない)、
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
さて、ここで、ポイントになるのは、(3)と(4)ですね。
まず(3)については、それ程難しくありません。(^!^)
辞書で調べて、独立した見出し語として載っているような語であれば、それなりの
説明がしてある事が多い(単純な「一つの○○」といった意味ではなく)。
そのようなそれなりの意味の時は、「数量や順序の意味が薄れた言葉」と考えて、
かなで書けばいいのではないかと思います。
例、見出し語「一員」 説明「団体を構成する一人」 → 「いちいん」
ところで辞書によっては、(1)のパターンの語まで丁寧に載せているケースも
ありますね。このような場合、その説明が単純に「一つの○○」となっている時には
数字を使えばいいと思います。
例、見出し語「一因」 説明「一つの原因」 → 「1_いん」
さてさて、実際問題として困るのは、実に(4)です。(^^;
この(4)の例の中で、かなを使っているケースがありますね。これは、
なにを隠そう「数量や順序の意味が無い」からなんですが‥‥‥。
それじゃあ一体どんな意味があるのかと言うと‥‥‥。(^!^)
恐らく元々は「数量や順序の意味」があったんでしょうが、今では薄れてしまい、
その替わりに、それぞれ独自の意味を持つようになっています。
例えば「いちばん」は、「1番、2番、3番、‥‥‥」という順序ではなく、
「最も」という意味になっています。
同様に、「いちだん(と)」「いっぱい(に)」「だいいち」も、それぞれ
単に「1」と言う意味を超えて、独自の意味をもった言葉ですね。
そしてこれらの言葉は、殆どの辞書で、「副詞」として出ています。
→ ここがポイント。(^!^)
さてこれらを見分ける為の判別法として、「一」を「二」に置き換えてみる方法が
あります。「二」に置き換えてダメだったら、かなで書くのです。
「二番大きい」「二段ときれいだ」「二杯になった」「第二、金がない」
いずれも変ですから、これらは「いち」と、かなで書きます。
ただ‥‥‥。この方法も万能ではありません。(^^; 例えば‥‥‥。
「一度」について考えてみましょう。
例、a.「確かに前に、一度来た事がある」
b.「一度病院で調べてもらったら?」
c.「一度決心したら、最後まで頑張れ」
特にb.c.は、「二度」に置き換えると変ですね。では「いちど」と書くか?
うーん、微妙ですね。これらも「1」の意味がまだ残っていそうですし。
それに実は、副詞とみている辞書は現時点では殆どありません。(^^;
従って、現在では、「一度」は、「1ど」としておくのが、無難かと思います。
(但し、5年後・10年後は‥‥‥、おそらく‥‥‥。(^!^))
尚、「一度に酔いが覚めた」の時は、「いちどに」でいいと思います。辞書でも
「一度に」だと副詞として独立に扱っていますから。
最後、少しややこしくなりました。(^^;
点訳の実践では、こんなややこしい話は出来るだけ避けたい‥‥‥。(^!^)
そこで‥‥‥。
1.まず『最新点字表記辞典』に頼りましょう。これで70〜80%はOK。
でも載っていなかったら? (^^;
2.いくつか(複数)の辞書を調べて、その取扱いに従いましょう。
(3)のケース−−それなりの意味を持った独立の見出し語で載っているか?
(4)のケース−−独自の意味を持った、副詞として載っているか?
これらの場合には、かなで書きましょう。 これで、95%OK。
3.似たような言葉がどっちになっているか調べ、それに合わせましょう。
4.それでも迷うグレイゾーンのケースに、不幸にしてぶつかったら‥‥‥。(^^;
その時は「1」を使いましょう。「1」を使う方が、読む人の理解を助ける
上で良いらしいのです。(『日本点字表記法(1990年版)』P103)
< ぎりぎり迷ったら、数字を使いましょう > (^!^)
ではでは。 {^△^} わびすけ